吉野家ホールディングス(HD)は7月28日、2021年2月期の連結営業損益が87億円の赤字(前期は39億円の黒字)になる見通しだと発表した。通期で営業赤字となるのは、10年2月期以来、11年ぶり。同社は新型コロナウイルスの感染拡大による事業活動への影響を合理的に算定することが難しいとして、業績予想を公表していなかった。
同社では4〜5月に国内約1000店舗で一時休業または営業時間の短縮を行った。その影響で、第1四半期(3〜5月)の連結売上高は前年同期比24.8%減の396億円となった。既存店売上高は主力の吉野家は4.4%減と健闘したものの、セルフうどん店の「はなまる」は52.1%減、持ち帰り寿司の「京樽」は46.4%減と深刻な打撃を受けた。
通期業績予想の算定に当たっては、連結売上高が第2四半期(6〜8月)は13%減、下期(9月〜21年2月)は10%減の水準で推移すると仮定した。また、国内外で最大150店舗を閉鎖することを織り込んで試算した。
通期の売上高は前期比20.3%減の1723億円、最終損益は90億円の赤字(前期は7億円の黒字)を見込んでいる。
同社は第1四半期末現在、国内で吉野家1217店舗、はなまる525店舗、京樽329店舗、海外では984店舗を展開している。