3年でV字回復! キッチン用品専門店「212 KITCHEN STORE」再成長のワケ
212 KITCHEN STORE(以下212キッチンストア、東京都)は、アパレルのワールドグループ傘下のキッチン・テーブルウエアの専門チェーンだ。2017年にワールドグループとなって以降、事業構造、販売スタイルの見直しにより利益体質のブランドへと回復を遂げ、現在全国に81の店舗を展開する。2025年5月には、人気映画『スター・ウォーズ』とのコラボレーションが話題となった。どのような変革に取り組んできたのか、また今後の方向性について、ワールド グループ常務執行役員 兼 ワールドライフスタイルクリエーション社長の西川信一氏と、ワールド グループ執行役員 ワールドライフスタイルクリエーション副社長 兼 ライフスタイルイノベーション社長の木津英之氏に話を聞いた。
再建の起点は「定価販売」への回帰

「世界で一番素敵なレストラン、それは我が家の食卓」をコンセプトに掲げる212キッチンストアは、毎日の料理を楽しむためのキッチンウエア、テーブルウエア、輸入キッチン家電、輸入食材など、世界中からセレクトした商品を取り揃え、料理好きを中心に支持を集める。元はインテリアのアスプルンド社の一ブランドであった212キッチンストアが、ワールドグループに仲間入りしたのは2017年のことだ。
西川氏曰く「当時は無理な出店により赤字店舗が多く、在庫過多や事業構造の問題も抱えていた」という状態から再建に取り組み、2024年下期より業績が大きく回復した。
「社長就任後すぐに、不採算店舗の整理(約10店舗)、在庫圧縮、販売方式の見直しに取り組んだ。中でも特に注力したのが『定価販売』への転換。長年、売上が届かないときの打ち手はキャンペーンという名の値引き施策ばかりだったが、定価で売るための販売力を付け、値引き販売依存からの脱却を図った」(西川氏)
結果として、初年度は売上が減少するも、2年目から回復し始め、直近ではコロナ後の生活回帰とともに既存店売上が好調に推移している。現在では、セール期を含めた通年で定価販売が全体の86%を占める。
定価販売で売り切るための秘策は何なのか。
「長年、値引き施策で売上を作る癖がついてしまっていた。まず大前提として『基本的にOFFはしない』販売を徹底した。ただそれではトップラインは落ちるので、お客さまに商品の価値を感じてもらう必要があった」(西川氏)





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