3年でV字回復! キッチン用品専門店「212 KITCHEN STORE」再成長のワケ
キッチンコンシェルジュという強みに立ち返り「定価販売」施策を展開

第一に取り組んだのはバイヤーの意識改革だ。
「キッチン、テーブルウエア周りの商品を“一通り揃える”という発想から、価格・機能・デザインのバランスが取れた厳選商品に絞ることを徹底した。そのために、本当に定価で購入いただけるだけの価値のある商品かどうか、カテゴリーの枠を超えてバイヤー全員が集まり議論し、取捨選択を徹底した」(西川氏)
結果、取り扱いを大幅に減らしたのが、家電量販店でも販売しているキッチン家電。逆に品揃えを強化させたのが、食器を中心としたダイニング周りだ。
「共働き世帯が主流の今、多くの人は料理にそれほど時間を費やすことはできない。そこで、品揃えは『時短』『便利』『食卓中心』に大きくシフトさせた。料理を作り置きする際の便利グッズなど、需要に応えたラインナップを増やしたほか、家での食事の時間を楽しむための食器やテーブルウエアを拡充している」と西川氏は話す。
もう一つ強化したのが、キッチンの専門家として店頭に立つ「キッチンコンシェルジュ」によるOne-to-Oneマーケティングだ。キッチンコンシェルジュは、以前から212 キッチンストア最大の強みである。豊富な商品知識を有するその販売力を、最大限活かそうと考えた。
「店頭のポップ、季節に合わせたプロモーションなど、値引き施策ではない仕掛けをスタッフ主導で打ち出して展開したことが功を奏した」(西川氏)

さらにブランドサイトも刷新し、商品に込めた想いや使い方をストーリーとして丁寧に発信するなど、地道な努力も積み重ねた。
「我々が考えているのは、大切な人に贈る“ギフト”として選ばれる商品であること」と西川氏は強調する。
「たとえば、釣りの初心者がはまり始めると、より本格的な釣り道具を揃えたくなるように、料理の楽しさを感じるようになれば、ちょっと良いものが欲しいと思うようになる。価格だけで選ぶのではなく、安くはないが少し良いもの、使っていて心地いいものが欲しいというときに、選んでもらえるお店をめざしている」(西川氏)





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