米・消費者調査「好きな小売業」で3位アマゾンを上回ったスーパーは?

阿部 幸治 (ダイヤモンド・チェーンストア編集長)
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「価格」の評価 ウォルマートは意外にも7

今回ランキングでは、価格競争力が強いマーケットバスケットやアルディがランクアップした点も特徴だ
今回ランキングでは、価格競争力が強いマーケットバスケットやアルディがランクアップした点も特徴だ

 7つの顧客ニーズについて1つずつランキングを見ていこう。まずは最も重要なドライバーである「価格」から。1位はアルディ、2位にはマーケットバスケットが入った。5位はトレーダー・ジョーでウォルマートは7位だった。

 「品質」ではウェグマンズが1位、2位にはノースカロライナ州に本部を置くグルメスーパーのフレッシュ・マーケット(the fresh market)がランクイン。総合スコア上位企業ではトレーダー・ジョーが4位、H.E.Bが9位に入った。

 「デジタル」ではアマゾンとアマゾンゴーがワンツーフィニッシュ。ウォルマートは5位につけた。欠品がなくお客が買いやすい環境を実現しているかを示す「オペレーション」ではHEBが1位、コストコ2位、マーケットバスケット3位だった。「利便性」ではウォルマートが1位、パブリックス(Publix)が2位、ここでもマーケットバスケットが3位だった。

 「スピード」では1位から順にアマゾン、アルディ、フェアウェイ(Fareway)。ウォルマートが上位にランクインしていない一方で、大型店のターゲット(Target)は前回19位から10位に大きくランプアップした。

 

 今回の調査は、顧客ニーズごとにあるいは総合的に、各小売企業が「消費者からどのように認識されているか」を理解できる非常にユニークなものだ。そして、この総合スコアが高い企業に共通することとして、バクーヴィエCEOは「自分たちの顧客が誰で、なぜ来店するのか、何が来店のために大事なことかを理解し、そのためにどんな強みを持たなければならないかを理解している。必ずしも万人受けしようとしていない」と語る。つまり、成功するための道は1つではないということだ。企業によって異なるのであり、それぞれの勝ち方があるのだ。

 日本の小売業も、まずは自社の立ち位置と顧客は誰なのか、何を望んでいるのかを理解することからはじめたい。ダンハンビーでは日本においても同様の調査を行いたい意向を示している。

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記事執筆者

阿部 幸治 / ダイヤモンド・チェーンストア編集長

マーケティング会社で商品リニューアルプランを担当後、現ダイヤモンド・リテイルメディア入社。2011年よりダイヤモンド・ホームセンター編集長。18年よりダイヤモンド・チェーンストア編集長(現任)。19年よりダイヤモンド・チェーンストアオンライン編集長を兼務。マーケティング、海外情報、業態別の戦略等に精通。座右の銘は「初めて見た小売店は、取材依頼する」。マサチューセッツ州立大学経営管理修士(MBA)。趣味はNBA鑑賞と筋トレ

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