福岡発の家具総合商社・関家具が東京に「ショールーム」を開いたねらいとは?

西岡 克(フリーランスライター)

東京京橋ショールームは3ブランドに特化

 コントラクト事業強化の取り組みの第1弾として東京・京橋に開設したのが、同社初の法人向けショールーム「関家具コントラクト東京京橋ショールーム」だ。

 約80坪のスペースに、世界51カ国で販売される高機能チェア「エルゴヒューマン」、個室型ワークブース「コロ」、国産ヒノキを使用した木製ブース「フォーカス」の3ブランドに絞って展示している。

 近隣にはオフィスメーカーやデザイン設計会社が多く、取引先がエンドユーザーを伴ってショールームを訪れ、製品を見ながら商談を行うことを想定。同ショールームの売上目標は、取引先の受注ベースで30億円をめざす。

 ショールーム内の長いテーブルには、「コロ」のブースの側面パネル12色、内部の不燃パネル41色といった色見本を配置した。そのほか、消火剤やオプションのソファ張り地、「エルゴヒューマン」のキャスターなどのチェア部材を入口から順に配置し、顧客の好みに応じてカスタマイズできる仕組みを採用している。

ショールーム奥には「エルゴヒューマン」の高機能チェア、「コロ」の個室型ワークブース、「フォーカス」の木製ブースが展示されている

 関家具は同所を拠点に、オフィス市場での同社の認知度向上を図りたい考え。今夏にはコントラクト事業部の総合カタログを発刊する予定だ。

 関家具が主力とするオフィス家具市場では、オカムラ(神奈川県/中村雅行社長)やイトーキ(東京都/湊宏司社長)をはじめとする上位7社が市場の大半を占めている。しかし、コントラクト営業部部長の古谷昌之氏は「上位メーカーはスチール製品やメラミン樹脂を用いた家具は強いが、当社はホームユースで培った木質製品に関してのノウハウを持っている。オフィスコントラクトとホームユースの融合に商機を見出し、事業のさらなる拡大をめざす」と意気込む。

 

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