SPA企業を養分にする!勝ち組が次々移行する「ノン在庫マッチングビジネス」とは何か?
新たな勝ち組!
ノン在庫マッチング企業の「勝ちパターン」とは
こうした「ノン在庫マッチング企業」は、リアル店舗を顧客獲得の広告塔と位置づけ、主戦場をECにおいているところがユニークだ。ECの勝ちパターンは、以下の3つのプロセスを高速回転させることになる。まずは、一般市場から新規顧客のクレジットカードを自社サーバに登録させること。第二に、こうして溜まった顧客を「客単価」によって、ヘビーユーザ、ミドルユーザ、ライトユーザの3分割し、多くを占めるライトユーザ・ミドルユーザをヘビーユーザに育成すること。そして三番目に、一度貯めた顧客が離脱(現実にはデータは残るが、実購買は競合で行うことを離脱するという)しないようにし、この第一、第二、第三の施策を併せて、LTV(顧客生涯価値)とし、この金額を最大化させることをKFS(重要性好要因)としている。
一握りの成功SPA企業を除き、多くのSPA志向企業は、こうした「ノン在庫マッチング企業」という新しい業態の餌食になっている。商品軸の発想から抜け出せないため優良顧客が集まるZOZOやシーインのテナントとなって、大事な顧客のダイナミックデータをすべて彼らに捧げているわけだ。アジアの新興アパレルは皆このような形でECモールを作ろうとしている。日本でも、オンワード・ホールディングスが、こうした戦略をオンワードクローゼットで構築しているのではないかと見ている。
激しく移り変わる世の中で、私たちの知らぬ間に、新しいビジネスモデルが静かにできあがり徐々に存在感をだしてゆく。もはや追いつけないほど大きくなってはじめて、そのモデルが解明されるが、その時には対抗するには時既に遅しということになる。今、世の中はSPAからノン在庫マッチング企業に移行しているのだ。
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プロフィール
株式会社FRI & Company ltd..代表 Arthur D Little Japan, Kurt Salmon US inc, Accenture stratgy, 日本IBMのパートナー等、世界企業のマネジメントを歴任。
著作:アパレル三部作「ブランドで競争する技術」「
筆者へのコンタクト
https://takukawai.com/contact/
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