粗大ゴミ、廃校備品が売物に メルカリと自治体の連携が活発化する理由とは

油浅 健一
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粗大ゴミ、廃校備品が売物になる意味

 メルカリShopsの利用を開始した自治体は具体的に何をしているのか。その多くは、粗大ごみや廃校備品などの販売だという。まさに、個人が不用品をメルカリで販売するように、自治体は行政で排出された不用品を、「メルカリShops」を通じて販売することで、循環させているわけだ。

 その意義について、高橋氏が説明する。「たとえば自治体は、図書館で不要になった本を市民に提供することなどはやっていた。しかし、その利益を享受しているのは、ある特定の市民であることも多く、行政の公平性の観点からどうだろうかという問題意識があった」

 せっかくの優れた施策も、結果的にあまねく市民に行き渡ることなく、歪みのようなものが生じがちという課題があった。いまや、一般的な購買手段の一つとなったECによる提供となれば、欲しい人に公平にいき渡りやすくなり、行政としても有効な提供手段となる。

 さらに粗大ゴミの処理でも、まだ使えそうな家具はシルバー人材を活用し、リペアして格安で販売していたりもするが、 同様に特定の人ばかりがヘビーユーザーとなり、恩恵を受ける市民が一人握りになることも珍しくなかったという。

 加えて、粗大ゴミでは処理費用もかかり、税金の活用の仕方として、市民から疑念を抱かれかねないという課題も。そうした中で、「リユースや循環型社会への転換を役所が進めていくうえで、活用する一つのポイントになるのでは」と高橋氏は、自治体のメルカリShops活用による効能を示す。

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