第3回 食品・消費財メーカーは自社の特性を生かしてSDGsに取り組む
健康な体ときれいな水を海外でも広げていく
持続可能な社会の実現のために、さまざまな企業が注力するなか、1989年の創業時からSDGsに対応した取り組みを行ってきたのが、シャボン玉石けん(福岡県/森田隼人社長)だ。「健康な体ときれいな水を守る。」を企業理念に、人と環境にやさしい無添加石けんの製造・販売を通じて、社会に貢献し地球環境の保全を図ってきた。また、企業としての社会的責任を自覚し、企業および地域活動の持続的発展に努めることも基本方針に据えている。
そうした同社のSDGsの取り組みのひとつとして挙げられるのが、「1% for Natureプロジェクト」だ。人気商品である「シャボン玉浴用3個入り」の売上の1%を人と環境にやさしい活動に寄付するというもので、支援先は公益財団法人 屋久島環境文化財団や認定NPO法人 アレルギー支援ネットワークなど多岐にわたっている。
国内だけにとどまらず、海外にも広げており、ミャンマーでの「命の水事業」井戸建設の支援もそのひとつ。現地では上水道や井戸などが整備されておらず、安全な水を利用できない地域がある。汚染された水を飲んで感染症を引き起こし、命を落としてしまう子供が少なくない。モーターで地下水を汲み上げる大型井戸を1基建設できれば、約1500~2000人の命が助かるといわれている。
そこで同社では井戸建設を支援し、安全な水の提供に努めている。同社だけでなく、商品を購入した消費者もパートナーにした支援プロジェクトはステークホルダーからの評価も高く、今後も継続していく考えだ。
この項、終了。次回は12月23日公開予定。
小売業のSDGs の新着記事
-
2024/08/17
イオントップバリュ、持続可能な社会の実現をめざしサステナブルな商品を開発 -
2024/08/14
生活者とともにSDGsの取り組みを推進、持続可能な社会の実現に向けて加速 -
2023/07/24
有力小売各社、SDGsの取り組み強める食品ロスを削減するサービスも登場 -
2021/03/22
特別対談:イオン×サラヤ 先進企業のキーパーソンが語る企業としてのSDGsへの向き合いかた -
2021/03/22
SDGsで先行する欧米食品スーパーの現状は?ウォルマート、クローガー、テスコの事例を紹介 -
2021/02/26
メジマグロをなぜ扱ってはいけないのか?先進スーパーに学ぶ!SDGsを見据えた商品政策とは?
この連載の一覧はこちら [12記事]
関連記事ランキング
- 2024-10-21健康・機能性市場トレンド2024 秋・冬
- 2024-10-22機能性ヨーグルト、24年度上期の市場は厳しい状況、機能訴求で市場回復を図る
- 2024-10-23スンドゥブ市場、韓国ブームを背景に好調に推移、喫食経験率アップが目標
- 2024-10-09シリアル市場、健康志向を背景に需要拡大 グラノーラ・コーンフレークが好調に推移
- 2023-04-26「簡便・時短」から「タイパ」へ 急拡大する「タイムパフォーマンス」志向
- 2023-06-30韓国食材、ブームから「食卓の定番」に!韓国食品メーカー4社が語るマーケティング戦略とは
- 2024-05-24ヘアカラー市場、外出機会の増加に伴い明るい髪色を好む消費者が増加
- 2023-05-26ヘアカラー市場、外出機会の増加に伴い、白髪用・黒髪用ともに伸長の可能性
- 2022-08-18だし市場、21年度も堅調に推移 さまざまな形状の商品で需要に対応
- 2023-09-07ロカボ・糖質オフ商品の購入者像を徹底分析!市場拡大のポイントとは?
関連キーワードの記事を探す
栄養を通じて受験生をサポートする明治の「受験飯」、24年度はさらなる認知拡大をめざす
三島食品の「ゆかり」、脱「ふりかけ依存」で売上アップ、その戦略とは
家庭用手袋市場、23年も前年割れで厳しい状況、極薄手袋は使用シーン拡大で堅調
「ファブリーズ」の成長戦略とは!?P&Gジャパン執行役員ホームケア事業責任者に聞く!
知恵を出して価値ある商品づくりを追求、「デザイン革命」で新たな価値創造=エステー鈴木喬社長