2人のトップアナリストが語る今後のコンビニ成長のための「争点」とは
コンビニエンスストア(CVS)大手3社の2022年度の決算や今度の成長施策を、専門家たちはいかに見ているのか。トップ証券アナリストの2人に見解を聞いた。
※ファミリーマートは2020年11月に非上場化し株式を公開していないため、セブン-イレブン、ローソンを中心とした解説となっている
CVSはいまだ回復途中、SIPストアで競争激化の可能性
JPモルガン証券シニアアナリスト 村田大郎
CVS大手3社の2022年度の業績は、コロナ禍での低迷から回復し、おおむね好調であった。しかし、22年度は小売業界全体で業績が好調だった。そのため、他業態と比べてCVS業態が特出しているわけではない。コロナ禍以前と比較してもまだ十分に回復しきれているとは言えない。
新たな動きでは、新規ビジネスとしてリテールメディア事業に着手している。店舗数は顧客接点と比例するため、店舗数が最も多いセブン-イレブンが有利だと考える。
セブン&アイ・ホールディングスは、新しい成長戦略において、イトーヨーカ堂を中心とするスーパーストア(SST)事業とCVS事業とのシナジー拡大を掲げている。なかでもSST事業の知見やネットワークを融合させた新コンセプト店舗「SIPストア」は業界の関心を集めている。
同じ小商圏型の小型店としては、イオン傘下の「まいばすけっと」が首都圏の都市部で集中的に出店している。後発の「SIPストア」がどれくらいのシェアを獲得できるか注目だ。SM各社は総菜強化などによってこの動きに対抗するだろう。さらに競争が激化する引き金になる可能性がある。
セブン&アイは、23年3月に中期経営計画を上方修正した。25年度の連結ベースの業績目標として「EBITDA(税引前利益に支払利息、減価償却費を加えて算出される利益)1.1兆円以上」は株式市場の予想の
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