アンテナショップ事業が起爆剤 テナント型からFCビジネス化で生まれ変わる近鉄百貨店のいま
「地域商社」を掲げ、地域産品のブランド化を支援
旗艦店であるあべのハルカス本店をはじめ、近畿圏に11の店舗・商業施設を運営する近鉄百貨店。長期計画において「地域に寄り添い、地域と活きる」とのESG方針を掲げ、以前より地域の自治体や商業団体とのコラボレーションに力を入れてきた。
2018年から「地域商社事業」と銘打った地域物産のプロデュース事業を開始。大和路(奈良県)・伊勢路(三重県)・紀州路(和歌山県)・近江路(滋賀県)の「4つの路」をコンセプトとしたローカルショップなどユニークな取り組みを展開し、地域産品のブランド化支援や販路開拓支援を推進してきた。
それと並行して、近畿圏を中心に各自治体と地域連携協定を締結。物産の紹介、観光のPR、防災協力の分野で、官民の連携強化を図ってきた。
そのように早くから「地域共創」の旗を掲げ、官民共創のブランドづくりや店舗運営を手掛けてきた近鉄百貨店に、北海道庁とアンテナショップ共同運営の話が持ち上がったのは自然な流れなのかもしれない。
「特に需要の見込める物産展については、常設ショップが運営できないか以前から考えていた」(長野氏)という近鉄百貨店側にとっても、集客力の高い北海道の物産を取り扱えるアンテナショップは願ってもないチャンスだった。こうして、「どさんこプラザ」の関西エリア初出店は決定した。