ユニクロ時代のもう1つの勝ち組、ストライプインターナショナル“100人・100億・1兆円”戦略=石川社長インタビュー

2019/11/21 06:09
ダイヤモンド・チェーンストア編集部
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「100人・100億・1兆円」で成長めざす

ストライプインターナショナル代表取締役社長兼CEO 石川 康晴
「日本のアパレルは3年だけ線香花火のようなAIバブルに酔いしれるわれわれは、“AIバブル後”もすでに見据えている」

──今後の成長戦略について教えてください。

石川  社内では「100人・100億・1兆円」というスローガンを掲げています。プロダクトでもサービスでもよいのですが、優秀な100人の人材が売上高100億円の事業をスケールさせていき、会社全体で1兆円をめざすという考えです。

 アース ミュージック&エコロジーの売上高は現在約300億円ありますが、このようにワンブランドで100億円を達成するのも1つの手でしょう。マレーシアで100億円をめざすということであれば、当社のプロダクトをマレーシアに持っていけばよいと思います。メチャカリのようなサービスの「サービス長」になるのでもよいし、DtoC市場のインフルエンサーを束ねる「ユニット長」になって100億円を積み上げるのもよいです。

 意欲のある人間が自身のバックグラウンドや経験を活用して100億円の売上高をつくっていく。そのようなポテンシャルを持った人材を全世界から集めようというのが基本的な考え方です。

──今後はどのような分野に投資をしていきますか。

石川  この数年間は、ECをなんとかしないといけないという危機感があり、「メチャカリ」のほか、自社ECの「ストライプクラブ」「ストライプデパートメント」にかなりの投資をしてきました。中国やベトナムの事業にも多くのお金を使いました。

 社内から反対する声もありましたが、「10年後のことしか考えていないんだ」と言って投資を続けてきました。その結果、多くの金額を投じたベトナムは今や営業利益率10%の事業に成長しています。中国事業もようやくブレークイーブンを越え、来年から回収フェーズに入ります。

 メチャカリは3年間投資を続けてきて、昨年から黒字化しています。ほかのサブスクリプションサービスが収益化に苦戦する中で、ファッションのサブスクリプションで黒字というのは奇跡的なことではないでしょうか。投資フェーズは赤字が出続けて非常にやきもきする時期ですが、我慢して投資し切るということも重要で、それが当社の成長につながってきました。

 今後の課題はグローバル戦略ブランドである「koe(コエ)」と「ストライプデパートメント」です。koeは現在、アパレル、ホテル、飲食、エンタメとそれぞれの領域で戦略的に投資をしています。3年ほどで、飲食事業を中心にマネタイズしていけると見ています。

 ストライプデパートメントについては、6年間は投資し続けると決めています。現在、ローンチから2年目ですが、取り扱いブランドは1000を超えてきました。これからも挑戦を続けていきます。

ストライプインターナショナル企業概要

本社 岡山県岡山市北区幸町2-8
本部 東京都中央区銀座4-12-15歌舞伎座タワー18F
設立 1995年2月
売上高 1364億円(2018年度、グループ連結)

 

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