アクシアル原和彦社長が語る今後の成長戦略 「MDを磨き上げ、県外シェアを高める」
M&Aは「慌てず急がず」も、再編軸の1つではあり続ける
――食品スーパー業界では再編の動きが加速しています。
原 食品スーパーだけでなく、ドラッグストアやコンビニエンスストアも店数を増やしているなかで、食品小売市場は飽和状態になってきています。そうしたなかでは再編が起こらざるを得なくなる。全国的に人口が減り、“胃袋”も小さくなっていくなかで、プレーヤーだけが増えるということはありません。
また、テクノロジーへの投資を考えたときに、食品スーパー1社でまかなうことは難しい。資本も人材も必要になってくるなかで、スケールメリットを追った再編というのは増えていくでしょう。ただでさえそうした転換点を迎えつつあったなかで、増税・軽減税率導入という大きなインパクトが起きたわけで、それが新たな再編劇へのトリガーになる可能性もあるでしょう。
――アクシアル リテイリングとしてはどう立ち回りますか。再編劇の主人公になる可能性は。
原 主人公になるかはわかりませんが、再編軸の1つにはなりたいとは思っています。そう言うと「次のM&Aはいつなのか、相手は誰なのか」と聞かれるかもしれませんが、そう簡単な話でもありません。
われわれは13年にフレッセイ(群馬県)と経営統合してアクシアルリテイリングを立ち上げて以降、本業である食品スーパーの店舗はもちろん、販売方法やそれを下支えする情報システムやロジスティクスについても時間をかけて構築してきました。そうしたインフラをしっかりと整備しておかないと、仲間をどんどん増やしたところで後々しわ寄せがくるものなので、あまり慌てずに考えたいです。とはいえ、再編の波に飲み込まれるのではなく、軸の1つとして活躍したいとは思っています。