飛躍的に寡占化!似鳥昭雄が語った、10年後のニトリ

高浦佑介 (ダイヤモンド・ホームセンター編集長)
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コーディネートに
力を入れる

 日本はまだまだ競争が遅れている。5年、10年遅れて、アメリカと同じような時代が来る。

 日本はオーバーストア状態だから、景気が悪くなると一気に寡占化が進むだろう。

 お客さまは何に集まるかというと、商品。商品の魅力は安さ、品質、機能、コーディネート。それがないと生き残っていけない。

 日本の10年先は今のアメリカ。だから、アメリカを見に行って、10年先のことを着々と準備する。日本のショッピングセンターも将来、空きだらけになる。アメリカでは、タダでもいいから入ってくれと言われるテナントもある。

 これは人類の経験法則。いちばんの先進国で起こったことが、次の先進国に10年遅れで起こり、さらに10年遅れでアジアの各国で起こる。川の流れのように、必ずそうなっている。

 品質の良いものを安く、今までにない機能のものをつくっていく。われわれは今、2万4000SKUあるが、その半分は1年で変えている。変えるための条件は、品質、機能を改善させるか、価格を下げることだ。

 あと、ニトリが力を入れるのはコーディネート。今、コーディネート(の売上高構成比)は40%。来年は60%、再来年は70%にする。

 コーディネートがうまくいけば、うちは飛躍的に寡占化できると思う。安くする仕組みや、品質を良くするノウハウはすでにある。あとはコーディネートだけ。

 商品部だけで600人いる。これは日本で一番多いはずだ。本部社員は2500人もいる。減らしたいと思っているが、商品を強くするには仕方ないと思っている。どんどん海外に行って、教育費、研究開発費を投入しないと未来はない。

 10年、20年先のことをやるのが大事。来年、再来年を見ても仕方がない。つねに10年先を見て、投資をしていきたい。

記事執筆者

高浦佑介 / ダイヤモンド・ホームセンター編集長

2010年東京大学文学部卒業、12年同大学院修士課程(社会心理学)修了。14年ダイヤモンド・リテイルメディア入社。『ダイヤモンド・チェーンストア』誌の編集・記者を経て、19年4月より現職。

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