店舗を活性化、めざすは「お客さまにとっての地域一番店」=東急ストア 須田 清 社長
「店舗戦略室」を新設し、店長をサポート
──店舗の営業体制が整ってくると、店長の役割にも変化が出てくるのでしょうか。
須田 店長は売場づくりの中心を担っています。主体的に動いてもらうために、店長には店舗運営の多くを任せてきました。しかし、そのことで店長に過度の負担がかかっていたようなところがあります。このため、14年2月期には本部が店舗をサポートする体制の強化を図ります。
この3月1日、地域に密着した店舗運営のスピードアップを図るために、営業統括本部内に「店舗戦略室」を新設しました。私が営業統括本部長として指揮するとともに、店舗戦略室長には専任の執行役員を据えました。マーケティングやデータ分析に長けた人材を集めて、店舗をサポートする体制を整えていきます。
──店舗戦略室ではどのようなことに取り組むのですか。
須田 まだ具体的なことはお話しできませんが、「お客さまにとっての地域一番店」になることを目標に掲げました。店長独自の考えを反映させた店舗運営を維持しつつも、本部がしっかりとバックアップする体制を強化する方針です。
本部と店舗が一体となり、マーケットの実態を知る、店舗の販売データと照合する、従業員の話を聞く、そしてお客さまの話を聞くというステップを踏んで、「お客さまにとっての地域一番店」をめざします。
──品揃えにも変化を加えていくのでしょうか。
須田 そうです。地域のお客さまのニーズに合わせた品揃えとともに、当社独自の商品の打ち出しを強めていく考えです。当社は競合他社の店舗に比べて、売場面積が小さいために、陳列できるアイテム数が少ないのが実情です。その中で、既存店の売上高を伸ばしていくために、競合店の品揃えに負けない重点商品を14年2月期から設定します。
たとえば、青果部門ではオイシックス(東京都/髙島宏平(たかしま・こうへい)社長)さんや、当社直営の農場「東急ストアファーム」の専用コーナーを導入する店舗を増やします。また、水産部門では刺身、精肉部門では国産牛の独自の品揃えを増やすなど、カテゴリーごとに強化する商品を明確にしていきます。