2011年3月さえきHD始動!3~4年後、1000億円体制をめざす=さえき 佐伯行彦 社長

聞き手:千田 直哉 (株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア編集局 局長)
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 このように、いつまでもトップが1人で引っ張るのではなく、任せられる人間を育てて思い切って任せてしまおうという方針です。これも経営者の立派な仕事ではないでしょうか。

──その意味で佐伯社長は、すでに優秀な経営者を育成しています。経営者育成の勘所はどこにあるのでしょうか?

佐伯 やはり、モノの見方や考え方が優れた人間をどんどん登用するということに尽きるのではないでしょうか。「地位が人を育てる」というわけです。

 私自身は今後、HDの社長として事業会社それぞれが「正しい商売」を貫いているかどうかをチェックすることに専念します。そして、従業員全員が生きがいを持って働けるような会社づくりや仕組みづくりに注力していきます。

──最後に、厳しい生存競争を勝ち抜くうえで、何が最も必要なことであると考えますか?

佐伯 日本全国にSM企業はまだ何百社もあり、他業態と比べるとダントツに社数が多いです。その一方で、生産年齢人口はどんどん減り続け、消費のパイは縮まっていきます。今と同じだけの店数は必要なくなりますから、強いものだけが残り、弱いものは敗れ去ることになるでしょう。その大きな動きが今後5~10年の間に起こるものと見ています。

 そうしたときに勝ち残れる強さとは何かと言えば、ヒトの力です。販売のプロである従業員の力であり、各事業会社を束ねるトップの力です。それらヒトの力を醸成し結集することで、勝ち残りを図っていきます。

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聞き手

千田 直哉 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア 編集局 局長

東京都生まれ。1992年ダイヤモンド・フリードマン社(現:ダイヤモンド・リテイルメディア)入社。『チェーンストアエイジ』誌編集記者、『ゼネラルマーチャンダイザー』誌副編集長、『ダイヤモンド ホームセンター』誌編集長を経て、2008年、『チェーンストアエイジ』誌編集長就任。2015年、『ダイヤモンド・ドラッグストア』誌編集長(兼任)就任。2016年、編集局局長就任(現任)。現在に至る。
※2015年4月、『チェーンストアエイジ』誌は『ダイヤモンド・チェーンストア』誌に誌名を変更。

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