3年で17店の競合が出店、お客様一人ひとりの満足度を高めて勝ち残る=オギノ荻野寛二社長

2012/03/02 19:00
聞き手:下田 健司
構成:小木田 泰弘 (ダイヤモンド・ドラッグストア 編集長)
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──消費生活を把握するうえで、顧客データ分析が重要になるのですね。

荻野 そうです。数年前からは、お客さまのデータだけでなく、当社の従業員1000人に対してアンケートを行い、商品政策や販売施策に活用しています。たとえば恵方巻は、「恵方を向いて丸かじりする」のは大多数ではありませんでした。そこで、節分は、恵方巻を食べるイベントというよりも「お寿司を食べるひとつの機会」ととらえ直し、恵方巻とお寿司とその関連商品を重点的に販売するようにしました。そうすると、売上や粗利益高を前よりも稼げるようになりますし、結果的にお客さまの満足度も高くなります。

──顧客データの活用で、最近取り組まれたことはありますか。

荻野 08年から11年12月までに30店舗の改装を行っていますが、その際、売場のゾーニングや品揃えの変更に顧客データを生かしています。それまでは、本部のバイヤーが売場規模別にパターンを決めて基本となる棚割を作成していましたが、顧客データが集まれば集まるほどお客さまが求めているものとの違いが鮮明になりました。同じ売場規模の店舗でも、商圏内の年齢構成や世帯人員数が違えば購入する商品は異なります。この数年間、顧客データを活用していろいろと試行錯誤しながら「個店ごとの最適な品揃え」に取り組んできました。

──ポイントカードの発行枚数は43万枚、精算時のカード提示率は90%超と聞いています。だから、きめ細かなデータ分析が可能になるのですね。

荻野 そうです。カード提示率の高い店舗だと95%ほどになります。そこまで利用率が高まると、どのお客さまが「お得意さま」なのかすぐにわかります。

 データ分析は面白いもので、お客さまは皆、何かのヘビーユーザーだということも見えてきます。データを平均化してしまうとわかりませんが、「この商品はあのお客さまが必ず購入している」ということがわかってきます。たとえば、コーヒーやアイスクリームなどの嗜好品にそのような傾向が見られます。その商品があるから「オギノのお店に行こう」という来店動機にもなっています。売れ数が少なくても、そのような商品をしっかり揃えることがお客さまの満足度につながるのです。

 お客さまの買上点数が現状10点だとしても、一人ひとりのお客さまがそのときに必要としている商品をしっかりと品揃えすることができれば、点数は11点、12点と伸ばすことは十分可能です。当社の売場にはまだまだ見落としている商品や提案方法がたくさんあります。それを発見して売場で提案することは、実際はとても難しいことですが、勝ち残りを図るためにも継続して取り組んでいかなければならないことだと思っています。

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構成

小木田 泰弘 / ダイヤモンド・ドラッグストア 編集長

1979年生まれ。2009年6月ダイヤモンド・フリードマン社(現ダイヤモンド・リテイルメディア)入社。「ダイヤモンド・チェーンストア」誌の編集・記者を経て、2016年1月から「ダイヤモンド・ドラッグストア」誌副編集長、2020年10から同誌編集長。

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