デリバリーと海外で成長めざす、セブン-イレブンの戦略と伸びしろとは
国内コンビニエンスストア(CVS)の成長が鈍化し、コロナ禍も逆風となるなか、セブン&アイ・ホールディングス(東京都/井阪隆一社長:以下、セブン&アイ)は、海外CVS事業を強化する方針をこれまで以上に強く打ちだしている。そうしたなか国内CVS事業のセブン-イレブン・ジャパン(東京都/永松文彦社長:以下、セブン-イレブン)は、新たな成長を実現するべく、配送サービスを一気に拡大させる。
コロナ前の水準に利用回復至らず
セブン&アイの2022年2月期の業績を大きく牽引したのは、米セブン-イレブン(7‐Eleven)を中心とする「海外コンビニエンスストア(CVS)事業」であった。21年5月に買収完了した米CVSスピードウェイ(Speedway)の業績が取り込まれたことに加え、既存店商品売上高も対前期比7.4%増と好調だったことが寄与している。店舗数は、スピードウェイの3828店の買収に伴って1万3213店と大幅に増えた(21年12月末時点)。
事業セグメント別の営業利益をみると、主力の「国内CVS事業」が同4.4%減の2233億円と前期実績を下回ったのに対し、「海外CVS事業」は同62.0%増の1598億円と大幅に増加している。
国内CVS事業のセブン-イレブンについては、22年2月期チェーン全店売上高は同1.7%増の4兆9527億円。前期実績を上回ったものの、5兆102億円だったコロナ禍以前の20年2月期の水準には回復できていないのが現状だ。既存店売上高伸長率は同0.7%増。客数が同1.2%減と前期を下回った一方、客単価は同1.9%増、対19年度比10.5%増と、コロナ禍で伸びている。全店平均日販については64万6000円で、引き続きローソン(49万8000円)やファミリーマート(51万1000円)よりも10万円以上高い水準を維持している。
直営店売上高と加盟店からの収入などを合わせた営業総収入は8630億円と、同1.5%増加した。しかし、売上高構成比が非食品、ファストフード、加工食品の順に上がった一方、日配品が減少する販売動向の変化に伴って、商品粗利益率は同0.3%減、販管費は同2.8%増となった。結果、営業利益が同4.4%減の2230億円、当期純利益が同2.5%減の1896億円と減益となっている。
22年2月期には625店を出店する一方、505店を閉鎖した結果、前期末からの純増数は120店で、国内の期末店舗数は2万205店(セブン-イレブン・沖縄含む)となった。
グループ共通IDで新たな成長機会を追求
こうしたなかセブン-イレブンは
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