コロナでビジネス環境激変!コンビニ大手3社の“新たな成長源”とは

大宮 弓絵 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
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セブンは温めてきた配送サービスを全国展開へ

 しかしコロナ禍3年目に突入した今、大手CVSを中心に、企業の柱である国内CVS事業で再成長を実現するべく新規ビジネスの展開を加速させている。これまでもCVS各社は全国の店舗網を生かした新たな収益事業を模索し実験してきた。コロナ禍での不振を受けて次の成長の活路にしようと、それらの施策を全国展開させる動きが出ているのだ。

 たとえばセブン-イレブンは、店舗商品を最短30分で即時配送するサービス「7NOW」の展開エリアを一気に拡大させる。同サービスは17年10月に北海道の一部エリアで実証実験を開始し、その後、対象エリアを広島県・東京都にも広げて粛々と検証を重ねてきた。

店舗商品を即時配送するサービス「7NOW」で注文を受けた商品をピックアップする従業員
セブン-イレブンは25年2月期までに、店舗商品を即時配送するサービス「7NOW」の全国展開をめざす

 セブン-イレブンの永松文彦社長は「CVSすなわち“便利店”である私たちが今後提供していくべきサービス」と同サービスの重要性について言及しており、23年2月期には5000店に、さらに従来の予定を1年前倒しして25年2月期には全国でのサービス展開をめざす方針だ。

 「7NOW」の詳細な利用実績は非公表だが、女性客の獲得や、店舗と併用する顧客の1カ月当たりの「セブン-イレブン」利用高は、コロナ前を上回る効果が出ている。また、顧客が「店舗」「7NOW」のいずれで商品を購入しても、店舗側では同程度の売上・利益を確保できる収益モデルをすでに確立できているそうで、既存店売上高を押し上げる可能性のあるサービスとして期待されている。

 同じ配送サービスでも、ローソンは自前ではなくデリバリー事業者との提携を進めてサービスを拡大している。すでに「UberEats(ウーバーイーツ)」や「Wolt (ウォルト)」などの計5社と提携、店舗商品を配送するサービスを45都道府県3232店(22年5月26日時点)まで広げており、その数は群を抜いている。さらには「UberEats」との協業関係と、店内厨房の機能を生かし、店内調理のデリバリー専用メニューを宅配する「ゴーストレストラン」事業にも参入。26年2月期には同事業の実施店を全国1000店まで拡大する方針を打ちだしている。

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記事執筆者

大宮 弓絵 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長

1986年生まれ。福井県芦原温泉出身。同志社女子大学卒業後、東海地方のケーブルテレビ局でキャスターとして勤務。その後、『ダイヤモンド・チェーンストア』の編集記者に転身。

最近の担当特集は、コンビニ、生協・食品EC、物流など。ウェビナーや業界イベントの司会、コーディネーターも務める。2022年より食品小売業界の優れたサステナビリティ施策を表彰する「サステナブル・リテイリング表彰」を立ち上げるなど、情報を通じて業界の活性化に貢献することをめざす。グロービス経営大学院 経営学修士

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