サミット、今期10月頃からネットスーパー始動 スーパーサンシの知見・ノウハウ得る

2022/05/25 05:55
    大宮 弓絵 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
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     サミット(東京都)は2022年3月期決算を発表した。“コロナ特需”に沸いた前期の反動減となったものの、コロナ前との比較では高い利用水準を維持している。こうしたなか23年3月期の方針と、期中に開始するネットスーパー事業についても方向性を明らかにした。

    服部社長
    サミットの服部哲也社長

    21年3月期を除いて
    売上高、各利益ともに過去最高

     サミットの22年3月期業績は、営業収益は対前期比0.9%減の3236億円、営業利益は27.6%減の91億円、経常利益は同31.8%減の94億円、当期純利益は同36.7%減の60億円だった。コロナ禍での内食需要を取り込んだ前期の反動で減収減益ではあるものの、前期を除いて売上高、各利益ともに過去最高となっている。コロナ前の20年3月期との比較では、当期純利益は8億4000万円も増加している。(サミットは21年4月、完全子会社で衣料チェーン運営のサミット・コルモを合併している。そのため比較した「前期」数字は、合併前の連結決算の金額および数値)。

    競争が激化するなか
    既存店客数が2.7%増

    とくに総菜及びベーカリーの売上が伸長している
    とくに総菜およびベーカリーの売上が伸長している

     既存店売上高伸長率は同0.6%減だった。前年割れの要因は客単価が同3.2%減となったためだが、店舗間競争が激化するなか客数は同2.7%増だったことは特筆するべき点である。

     部門別売上高は、減少幅が大きい順に、「家庭用品及び衣料品他計」が同4.7%減、「生鮮食品」が同3.1%減、加工食品や菓子、日配などの「その他食品計」が同0.6%減。一方で「総菜及びベーカリー計」が同8.4%増と大きく伸長した。21年3月期は、コロナ禍で揚げ物の裸売りをやめたことなどで苦戦していたが、需要の変化に応じた品揃えの見直しや、味の磨き上げによって、支持獲得に成功している。

     服部哲也社長は22年3月期業績を次のように振り返る。「コロナ禍2年目となった22年3月期は、感染者が急増した時期には、店舗に出勤できなくなる人も増え、“綱渡り”のようなギリギリの人員体制での営業を余儀なくされた。しかしサミットでは従来から部門間で連携し、役割分担をしながら運営ができる組織文化、体制が他社よりもできていたことで、乗り切ることができた」。

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    記事執筆者

    大宮 弓絵 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長

    1986年生まれ。福井県芦原温泉出身。同志社女子大学卒業後、東海地方のケーブルテレビ局でキャスターとして勤務。その後、『ダイヤモンド・チェーンストア』の編集記者に転身。

    最近の担当特集は、コンビニ、生協・食品EC、物流など。ウェビナーや業界イベントの司会、コーディネーターも務める。2022年より食品小売業界の優れたサステナビリティ施策を表彰する「サステナブル・リテイリング表彰」を立ち上げるなど、情報を通じて業界の活性化に貢献することをめざす。グロービス経営大学院 経営学修士

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