減益着地も利益率は高水準をキープ、イズミの2022年2月期決算
今期はオンライン売上高30億円へ
さてイズミは昨年4月に5カ年の第二次中期経営計画を公表しており、22年2月期はその初年度にあたる。
中計では、2030年までに達成をめざす長期ビジョンとして「中四国・九州エリアを軸に300店舗体制」「営業収益1兆円」「売上高営業利益率6.0%」という数値目標を掲げている。これの達成をめざし、スーパーマーケットおよびGMS事業での出店と活性化、DX(デジタル・トランスフォーメーション)、ESGなどの分野に5カ年で合計1500億円を投資する。
その一環で、イズミは21年6月、生鮮食品を含む食料品や日用雑貨を配送するサービス「ゆめデリバリー」を広島市内の2店舗でスタート。ゆめデリバリーの売上高は約1億円とのことだが、全国発送可能な自社ECサイト「ゆめオンライン」と合わせたオンライン売上高は14億円となっている(22年2月期実績)。23年2月期は「ゆめデリバリー」の対応店舗の拡大などにより、このオンライン売上高を30億円まで伸ばす計画だ。
イズミは中計の中で、「25年のオンライン取扱高300億円」を目標に掲げており、将来的に「ゆめオンライン」の専用倉庫や「ゆめデリバリー」の生鮮専用出荷センターの導入も検討することも明らかにしている。23年2月期上期中にはテナントの「ゆめオンライン」への出店をスタートする予定で、イズミとしては早期にオンライン売上高を一定の規模まで拡大し、事業を軌道に乗せたいところだ。
23 年2月期は、「収益認識に関する会計基準」、いわゆる新収益認識基準が適用され、テナント売上高や消化仕入れに関する考え方が変わる。そのため、連結の予想営業収益は4543億円と、22年2月期から2000億円以上目減りするが、旧認識基準で対前期比3.0%増の増収を計画する。そのほか、営業利益は326億円、経常利益は326億円、当期純利益は209億円を見込む(いずれも前期比較の増減率は公表していない)。