下着メーカーならではの気づき!「ワコールの靴」が就活生に人気のワケ
CAの声がマーケット拡大の起爆剤に
しかし、どのようにマーケットを拡大していったのだろうか。反響が出始めたのはサクセスウォークを発売して数年後。「キャビンアテンダントの声が届き始めた」(細川氏)
キャビンアテンダントの仕事は立ち仕事だ。「今まで良いパンプスがなくてすごく悩んでいた。サクセスウォークを履いてみたところ、快適に仕事に集中できた」「出会えてうれしい」「お礼が言いたい」「もっとこのパンプスの存在を知ってもらいたい」そんな声もあったという。当時は、SNSの“つぶやき”ですぐに拡散するような時代ではなかったが、パンプスをはいて働く女性にターゲットを絞って販促を行ったところ、キャビンアテンダントに次ぎ、販売職や営業職、ホテル従業員といった立ち仕事や歩く時間が長い職業に就く女性に支持されるようになり、一年、また一年と働く女性が着実に店頭に足を運んでくれるようになった。
仕入れる側であるバイヤーへのプレゼンにも配慮した。バイヤーは必ずしも女性とは限らない。そこで、男性のバイヤーが試し履きができるよう26.5cmのメンズパンプスを作って実際に体験してもらうことで、「苦しんでいる女性にこのパンプスを届けましょう」と賛同してくれる男性バイヤーが増えていった。