ヤオコー旗艦店内にも! 無印良品のSM隣接出店の効果は?
「無印良品」を展開する良品計画(東京都/堂前宣夫社長)が、食品スーパー(SM)に隣接する店舗の出店を加速させている。これは、2030年までの長期ビジョンの1つとして掲げた、日常生活の基本を支え、地域課題の解決や活性化にも貢献する「地域への土着化」を達成するための施策の一環だ。本稿では、同社の22年8月期第1四半期の業績と、決算発表会で言及された地域密着戦略の状況について解説する。
第1四半期は増収減益
良品計画の22年8月期第1四半期の連結業績は、営業収益1229億円(対前年同期比6.9%増)、営業利益111億円(同15.3%減)、経常利益117億円(同12.9%減)、四半期純利益78億円(同36.0%減)の増収減益だった。国内外の出店数の増加によって、営業収益は過去最高の実績となった一方、「衣服・雑貨」の販売が低調で営業総利益が伸び悩んだことなどにより、営業利益以下の段階利益はすべて減益となった。
国内事業のECを含む部門別の既存店売上高対前年同期比をみると、「衣服・雑貨」は同13.8%減、「食品」は同7.1%減と低調な一方、「生活雑貨」は9月に価格改定した羽根まくらやタオルなどが好調だったほか、ヘルス&ビューティ商品も伸びたことにより、同3.2%増となった。食品の低調について、堂前社長は「去年の同時期、食品は非常に伸びた。コロナ禍の影響だけではなく、いろいろなメディアに取り上げられたという要因が大きい。今期はそのブームが落ち着き、想定まで戻っている」とコメントした。