豊臣秀吉ゆかりの滋賀・長浜で楽しむ絶品 郷土料理「鯖そうめん」とは
長浜名物「鯖そうめん」を実食
歩くこと約1分、到着したのは「翼果楼(よかろう)」。長浜名物の郷土料理「鯖そうめん」を提供する人気店だ。古い家屋を利用しており、外観は貫禄たっぷりである。
「鯖そうめん」は古くから長浜で親しまれてきた郷土料理。農繁期、手軽に食べられる定番メニューとして重宝されたほか、長浜曳山祭の客人をもてなすために振る舞われたという。この店を知ったのは、ある方からの情報提供があったからだ。「すごくおいしいんです。ぜひ行ってみてください」と教えてもらい興味を持った。
早速入店。週末だと行列を覚悟しなければならない。しかし平日、さらに昼時を外したのですぐに入れた。「お好きな席へどうぞ」と案内され、美しい庭に面した席を確保する。
メニューを確認し「鯖街道 焼鯖寿司付」(税込2000円)を注文。さてどんな料理がやってくるのか楽しみだ。
と思っていたら、あっという間に料理が運ばれてきた。注文して3〜4分しか経過していない。農繁期、手軽に食べられるので重宝されたという意味がよくわかった。
早速いただく。麺は茹でたてだが粗熱をとってあり、そこへ鯖と煮込んだ汁をかけるというシンプルな構成。箸でそうめんを少量つまんで持ち上げ、そして口へ。甘辛い味付けだが、あっさりとしており美味である。次に焼鯖寿司。私が住む京都でも鯖は好まれているので、とてもおいしく食べた。
店内を見渡すと、お友達同士で食事をする女性の2人連れ、ご夫婦、また一人で来店している人など客層は多様である。総じて年齢層は高めだが、それだけに皆さん、静かに料理を楽しんでいる様子だった。
前述の通り、目の前には美しい庭が広がっている。こんなところで名物料理をいただくとは、なんて贅沢なんだろうか。そんなことを思いながら食事をしていた。
そして完食、大満足である。店を出てあらためて「北国街道」を歩いたが、郷土料理を堪能した後だからか、少し長浜の街に溶け込んだような気持ちがした。