京都の眺望を楽しみながら味わう本格中華、好立地なのにリーズナブルな理由は?
本格中華をいただく
エレベーターを降りると、そこは中華料理店。母と一緒だったため、女性従業員に「2人です」と伝えると窓際のテーブルに案内された。
これが私たちの席。開放的な雰囲気で、眺めは最高。時間は平日の12時過ぎ。まさにランチタイムなのに、スムーズに座ることができた。
早速、何を注文するかを検討する。ランチメニューの写真を見てもらうとわかるが、これが非常にリーズナブルなのだ。中心の価格帯は1000〜1100円(税込)で、もっとも高くても1600円。このロケーションで、かなりお手頃である。私は「坦々麺定食」(1100円)、母は「酢豚定食」(同)を頼んだ。
今回、なぜ母と一緒に来たかと言えば、小さい頃、家族でこの店に時々来ていたという話を聞いていたからだ。母が子供の頃というと、もうずいぶん昔の話である。
店の公式Webサイトで調べると、桃園亭の起こりは大正3年(1914年)。今年、創業110年を迎える計算だ。ここ河原町に三階建ての店を構えたのは昭和20年代、以来、「純北京料理」を標榜し営業を続けている。母が食事していたのは、三階建時代だったのかもしれない。
しばらくして私の目の前に「坦々麺定食」が届けられる。早速食べたが、坦々麺はもちろん、セットになっている唐揚げや炒飯も本格的でとてもおいしかった。母も満足そうである。
さて記事の冒頭、近くを散策するという謎の行動をとったのには訳がある。それは桃園亭の窓から、あちこち回った観光スポットをすべて見られるのだ。席にはそれらの位置を示す写真が置いてある。「建仁寺はこれ、八坂の塔はあれ」と探しながらの食事も楽しい。
眺めは最高、本格的な料理、しかも老舗で場所は一等地──。にもかかわらず価格はとてもリーズナブルである。普通に考えると、13階でこれだけの店を持つだけでも相当な賃料がかかるはずだ。
種明かしをすると、店を経営しているのはこのビルのオーナーなのだ。12階まではマンションになっており、不動産賃貸業がおもなビジネス。そういった事情で、リーズナブルな本格中華を提供できるようである。
個人的には穴場だと思う。ご興味ある方は、ぜひ行ってみてはどうだろうか。
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