トイザラス・インク(米国) 会長兼最高経営責任者(CEO) ジェラルド・ストーチ
リアル店舗とeコマースが融合したマルチチャネル戦略で次世代のトイザらスをつくる
──日本市場での中長期戦略を教えてください。
ストーチ グローバルでも改装と新店に力を入れる戦略は共通です。
日本は二番目に大きな市場であり、現在166店舗を展開しています。今後もSBSへの改装投資が中心になる見通しで、SBSの店舗数は今年末に57店舗になる計画です。たとえば、7月に開業する京都府内の店舗はSBSとしての新規出店となり、9月オープン予定の仙台(宮城県)の店舗も、リロケーションしてSBSとして別のSC内にオープンするものです。
ただ、166店舗すべてをSBSに改装するには時間がかかるため、トイザらスにベビー用品売場を付加するような小規模な改装を全店で実施しています。そうすることで「トイザらスには、ベビー用品もある」という認知度を高めることができ、本格的にSBSに改装したときにベビー用品を求めるお客さまをより集客しやすくなるからです。
また今回は「東京おもちゃショー2011」の商談のために来日しましたが、規模の大小にかかわらず日本の各メーカーからよく聞かれるのが、「商品を米国のトイザラスでも販売できるのか?」という点です。当社は日本のメーカーの優れた商品を各国の店舗を通じて世界中に届けていきます。
──中国やインドといった新興国にも進出しますか?
ストーチ 中国では香港系の利豊(Li & Fung Group)とのパートナーシップで店舗展開しています。同社を通じて香港、台湾、タイ、フィリピン、マレーシアなどアジア市場にも進出しています。中国本土でのビジネスは今後、大きくなるだろうと期待しています。
新市場においても、リアル店舗とeコマースの両輪で市場シェア獲得を進めていきます。どちらから先に進出を始めるかについては、市場によって選択します。ただ、マルチチャネルが将来の小売業の姿だと考えていますので、最終目標はマルチチャネルの展開です。