トイザラス・インク(米国) 会長兼最高経営責任者(CEO) ジェラルド・ストーチ
リアル店舗とeコマースが融合したマルチチャネル戦略で次世代のトイザらスをつくる
新規出店をする際も、すべてSBSで開発します。商圏を見ながら、トイザラスとベビーザラスがフルサイズで併設する「“R”Superstore(“R”スーパーストア)」や比較的小規模でも便利なSBSなど、適切な店舗サイズで出店していきます。
米国内に残っているベビーザラスと、トイザラスの単独の店舗を合わせて1つのSBSとし、より適当な立地に建て替えることもあります。ですから、店舗数自体はあまり変わりませんが、売場面積は増えると思います。インターネットビジネスもこれから成長させていきますので、リアル店舗の数は現状で十分かも知れませんね。
──マルチチャネル政策を進める中で、シェア拡大を図るということですね。
ストーチ そうです。マーケットシェアは過去数年間、拡大し続けてきました。中でも私が就任して以来最も伸びたのが昨年です。ウォルマートやターゲットなど米国内に巨大な競合チェーンがたくさんありますが、その中でもマーケットシェアを拡大してきたことは誇れることだと思います。
当社がシェアを拡大できたのは、お客さまが競合他社との違いを理解しているからです。それは米国に限った話ではなく、日本を含め各国でも同様です。
まず、当社はどこよりも、品揃えが豊富です。大人も子どもも、売れ筋に絞り込んだ限られた品揃えではなく、できるだけたくさんの商品を見たいはずです。
そして、赤ちゃんと子どものための商品なので、品質と安全性を非常に重視しています。お客さまにとって、子どもに買い与えるものの品質と安全性は、いちばん重要なポイントです。ここに注意を払うことで、お客さまの信頼を得ていると思います。
また、私たちは玩具の分野のエキスパートとして認知されています。競合チェーンは、品揃えを限定し、サービスを省いたディスカウントストアが多いですから、知識の豊富な従業員が専門性の高いサービスを提供できることも、当社の強みです。
米国でも世界でも
マルチチャネルが最終目標
──これまで積極的にグローバル展開してきましたが、次に進出をねらう市場はどこですか?
ストーチ 当社はグローバル小売業としては最も多くの国に進出しており、すでにカナダ、フランス、ドイツ、英国、スペイン、ポルトガル、オーストラリア、日本など34カ国で店舗展開しています。今年はポーランドを皮切りに東ヨーロッパへの進出を始めます。現段階では公表することはできませんが、他の国への進出も計画中です。