トイザラス・インク(米国) 会長兼最高経営責任者(CEO) ジェラルド・ストーチ
リアル店舗とeコマースが融合したマルチチャネル戦略で次世代のトイザらスをつくる
当社はグローバル展開を前提にした先進的なeコマースサイトを開発しています。現在も日本を含めた多くの国でeコマースサイトを運営していますが、今後は世界共通の技術を採用し、より優れた機能を備えた新しいプラットフォームを順次、各国で展開していきます。すでに米国、カナダ、フランス、ドイツ、オーストリアには導入済みで、今年はスペインとポルトガル、そして当社にとって重要な市場である日本で展開する計画です。
──リアル店舗とeコマースサイトは、どのようにシナジーを出すのでしょうか?
ストーチ マルチチャネル戦略がベストなモデルだと考えています。
お客さまはどこでも購入でき、どこでも受け取ることができる。当社はどこでも商品を補充でき、どこへでも送ることができる。商品を購入する場所も、受け取る場所も、さまざまな組み合わせが考えられます。
eコマースの黎明期には、消費者は自宅やオフィスから商品を注文し、eコマース専用の物流センターから自宅に届くというのが一般的なモデルでした。
しかしこれからは、より多様な組み合わせが可能になります。たとえば、オンラインで購入し、近くの店舗で受け取るというサービス。店舗で購入して自宅に送ることも可能です。携帯電話で購入し、近くの店舗や自宅に届けるというものもあります。
店舗で抱えられる在庫には限界がありますが、インターネットなら店舗よりも多様な種類の商品を品揃えできますから、お客さまの選択肢は増えます。
このように、こうしたサービスが将来的にはすべて融合する計画です。「オンラインの売上はいくらか」と尋ねられることがしばしばありますが、将来はすべて一緒になって、分けることができなくなるでしょう。それこそが、将来の小売業の姿だと思っています。
──リアル店舗はどのような戦略で進めて行きますか?
ストーチ 当社の店舗投資には、2つの大きな方向性があります。一つは既存店をSBSに改装すること。もうひとつは新店の開発です。
米国内では約850店舗を展開しています。開店してから時間が経過している店舗もいくつかあるので、こうした店舗を改装することで、競争力を保っていきます。SBSには、トイザラスに加えてベビーザラスも入り、店内も刷新しますので、新しい売場でのショッピング体験をお客さまに提供することができます。