総務省が20日発表した8月の全国消費者物価指数(2020年=100)は、価格変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が108.7と、前年同月比2.8%上昇した。上昇は36カ月連続で、伸び率は4カ月連続で拡大した。品薄などでコメが約49年ぶりの高い上昇率となったことや、電気代の値上がりが押し上げに寄与した。
主食用を含む米類が28.3%プラスで、1975年9月の49.5%プラス以来48年11カ月ぶりの上昇幅を記録した。同省は、昨年の猛暑による流通量の減少などで価格上昇が続く中、地震や台風に備えた買いだめも相次ぎ、供給不安の広がりが一段と価格を押し上げたとみている。
コメのほか原材料価格の上昇でチョコレートが12.7%伸びるなど、生鮮食品を除く食料は2.9%上昇した。
電気代は26.2%、都市ガス代は15.1%それぞれプラスとなった。政府による補助金が、いったん終了したことが響いたが、8月使用分(9月請求分)から補助金の支給を再開するため、上昇幅は今後縮小する見込み。ガソリンや灯油は前年同月比で下落に転じた。
生活実感に近い生鮮食品を含む総合指数は3.0%、生鮮食品とエネルギーを除く総合指数は2.0%それぞれ上昇した。