コンビニエンスストア各社が、即時配達サービス「クイックコマース」を強化している。店内調理のピザや唐揚げなどを注文から最短15~20分で届ける。「タイパ(タイムパフォーマンス)」重視の若者や、徒歩や車での買い物が難しい高齢者らのニーズを捉えつつあり、パリ五輪の自宅観戦に伴う需要増を見据えて一気に認知度を高めたい考えだ。
セブン―イレブン・ジャパンは4日、注文を受けてから焼いたピザを最短20分で届けるサービスを8月から約200店舗に拡大すると発表した。「マルゲリータ」(780円)など2種類を熱々の状態で運ぶ。宅配の対象は飲料や菓子、日用品など約3000種類に上り、飲食店の出前ではできない「ついで買い」もアピールする。
ローソンは全店の半数ほどに当たる約6800店舗で、「最短15分」を掲げるデリバリーサービスを行っている。看板商品の揚げ物「からあげクン」が売れ筋で、今月下旬には宅配専用の新しい味を発売予定。深夜の注文も多く、24時間宅配に対応する店も順次広げる方針だ。
冷たいスイーツが人気のミニストップは、ソフトクリームのほか、かき氷やゼリーを混ぜ合わせて食べる「ハロハロ」をドライアイス付きで届けるサービスが好評という。
各社が期待を寄せるのは、26日に開幕するパリ五輪。東京五輪やサッカーワールドカップの際はテレビ観戦のお供としてつまみの販売が増加した。セブンの担当者は「店まで行かなくてもアプリで注文すればゴールシーンなどを見逃さずに済むので、ぜひ利用してほしい」と話している。