中四国地方を地盤とするイオン傘下のスーパー、フジは30日、経営方針を発表した。2026年度に売上高に当たる営業収益8450億円、営業利益2%超を目指す。30年度には営業収益1兆円を目標に掲げる。
既存店の刷新やDX(デジタルトランスフォーメーション)などに3年間で860億円を投資。広島、愛媛、香川、岡山、兵庫の5県を重点エリアに位置付け、店舗のてこ入れを図る。需要増が見込まれる移動スーパーも積極的に展開していく方針だ。
イオンのプライベートブランド(PB)「トップバリュ」の商品なども拡大し、PBの売り上げ構成比率を現状の約9%から、26年度に15%まで引き上げることも狙う。
フジの尾崎英雄社長は記者会見で、「統合によるシナジーの創出、その成果の最大化を図りながら組織力を高め、地域のお客さまの役に立てる企業に成長を遂げる」と語った。
イオンの岡田元也会長は「旧来のビジネスモデルが全く通用しなくなっているのがスーパーの業界だ。当面の競合はコンビニと電子商取引(EC)だ」と指摘。その上で、「小売業で大きな規模でも高い成長を実現できるとすれば、権限委譲と地域密着しかない」と語った。
イオンは18年にフジと資本業務提携を締結し、その後、子会社化した。