8月消費者物価、3.1%上昇=ガソリンと食料が押し上げ―総務省
総務省が22日発表した8月の全国消費者物価指数(2020年=100)は、価格変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が105.7と、前年同月比3.1%上昇した。上昇は24カ月連続で、伸び率は7月から横ばいだった。政府の負担軽減策で電気・ガス代は下がったものの、ガソリンや食料の上昇幅が大きく、3%以上の伸びが1年続き、家計を圧迫している。
生鮮食品を除く食料は9.2%上昇した。1975年10月に並ぶ高水準で、9%台は5カ月連続。原材料価格や輸送費の高騰を背景に、アイスクリームや炭酸飲料など夏に消費が増える商品が値上がりした。宿泊料は観光需要の回復に伴い18.1%伸びた。
エネルギー全体の価格は9.8%低下した。電気代は20.9%、都市ガス代は13.9%それぞれ下落。一方、原油高と円安を背景に、ガソリンは7.5%上昇した。ガソリン価格高騰を抑制する政府補助金の縮小も影響した。
生鮮食品とエネルギーを除く総合指数で見た物価は4.3%上昇。4%台は5カ月連続で、第2次石油危機の影響があった81年以来の高水準が続いている。
政府の電気・ガス代の負担軽減策は9月使用分から半額になるほか、足元では輸入品の値上がりにつながる円安が進行し、エネルギー価格も上昇傾向にある。総務省の担当者は「価格の変動を考慮することが必要だ」と語り、物価高の継続を注視する考えを示した。