中国物価、0.1%上昇=デフレ懸念根強く―8月
【北京時事】中国国家統計局が9日発表した8月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比0.1%上昇した。3カ月ぶりにプラスに転じたものの、景気が冷え込む中、需要は低迷が続いており、デフレ懸念は根強いままだ。
中国では不動産不況や雇用情勢の悪化を背景に、消費の落ち込みが長期化している。8月には不動産開発最大手の碧桂園で経営危機が判明。製造業景況感は5カ月連続で景気の縮小を示した。
CPIを項目別に見ると、ガソリンなどの交通用燃料が4.5%低下、物価に大きく影響する豚肉が17.9%低下と、いずれも前月からマイナス幅が縮小した。「ゼロコロナ」政策終了で行動制限がない夏の行楽シーズンを迎えたこともあり、旅行は14.8%上昇。価格変動の激しい食品とエネルギーを除いたコアインフレ率は前月から横ばいの0.8%だった。
同時に発表された8月の卸売物価指数(PPI)は3.0%低下。前月(4.4%低下)から下落率は縮小したものの、11カ月連続で前年割れとなった。