夏本番、商戦本格化=酷暑対策、レジャー需要も
全国各地で梅雨明けが相次ぎ、夏商戦が本格化している。厳しい暑さに対応したグッズや家電が売れているほか、コロナ禍を経て4年ぶりに再開するイベントも多いなど、レジャー関連も久々に好調。商機を逃がさぬよう、増産体制を敷くメーカーもある。 照り付ける太陽の下、街中では凍らせた冷感リングを首にはめ、携帯扇風機を顔に向ける人を多く見掛ける。「ドン・キホーテ」では、このリングが「飛ぶように売れ」(担当者)、在庫が一時払底。携帯扇風機も7月は前月の倍のペースで売れている。
ビックカメラでは、エアコンの7月1~23日の販売が前年同期比2割増で推移。ノジマによると、省エネやフィルターを自動で掃除するタイプが人気という。ドラッグストアでは汗を拭き取るシートが好調。マンダムは需要増を見越し、昨年12月から生産ラインを2交代制にして在庫を積み上げた。
暑さも一定以上になると、濃厚なアイスクリームよりさっぱりした冷菓が恋しい。赤城乳業(埼玉県)の「ガリガリ君ソーダ」は、今月8~14日の売り上げが前月同期間の2倍以上に。大正製薬や大塚製薬の「アイススラリー」と呼ばれるシャーベット状飲料の販売は右肩上がりで、「スポーツや建築現場でも飲まれている」(大正製薬)。
夏を楽しむ商品やサービスも活況だ。東武百貨店池袋店(東京都豊島区)では、6月以降の浴衣の売上高が前年同期の2.3倍。「久々に開催される花火大会に合わせて買われる方が多い」(担当者)。ホームセンターのDCMでは、キャンプ用のテントやパラソルが今月に入り、前年同期の1.5~3倍となる売れ行きだ。
名鉄百貨店本店(名古屋市)のビアガーデンの7月の客数は、前年の1.6倍。松屋浅草(東京都台東区)では、14日からの1週間のうなぎの売上高が前週の1.5倍に急増した。
炎天下の労働では熱中症対策が必須だ。ヤマト運輸は、台車や自転車の配達員にファン付きベストを配布。富士通ゼネラルの首を直接冷やすウエアラブルエアコンは今夏、企業からの問い合わせが前年の10倍以上に膨らんでいるという。