ツルハ、ファンドと対立激化=社外取選任へ株主提案―来月10日に総会

時事通信社
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ツルハドラッグ看板1

  ドラッグストア大手のツルハホールディングスに、大株主である香港系投資ファンドのオアシス・マネジメントが株主提案を突き付け、両者の対立が深まっている。ファンド側が求めるのは独立した社外取締役の選任。ツルハ経営陣は提案への反対を決定し、8月10日に開かれる定時株主総会に向け、支持獲得の攻防が激化しそうだ。

 「ガバナンス(企業統治)強化の必要性を理解していない」。オアシスのセス・フィッシャー最高投資責任者は18日、オンラインで報道各社の取材に応じ、ツルハ経営陣の姿勢を厳しく批判した。

 オアシス側の株主提案は、新たな社外取の選任や報酬改定など計9件。ツルハの取締役会は、鶴羽樹会長ら創業家が多数を占め、社外取も創業家とつながりがあり独立性を欠くと主張。社外取の総入れ替えを求めている。

 これに対し、経営側は、現体制で中期経営計画を実行できていると反論。ガバナンス上の問題はなく、「オアシスの主張は株主の誤解を誘発し、恣意(しい)的な印象操作だ」と批判した。今月7日の取締役会では、現在の社外取に大手IT出身者ら2人を追加する選任案を決めた。

 セス氏は、こうしたツルハ経営陣の姿勢に反発を強め、「より質の高い、独立した取締役をそろえることで、経営側に責任を持たせ、もっと良い会社にできる」と力説した。

 オアシス側の提案の背景には、ドラッグストア業界の再編・統合を通じて保有株式の価値を引き上げたいとの思惑がありそうだ。株主提案では、企業再編に関する経験や知見を持つ候補者らを社外取に推薦した。

 オアシスは昨年10月、ツルハに対して合併の検討などを提案。今回の株主提案でも、「収益性改善を生む、適切な競合(相手)との統合が喫緊の課題だ」と訴える。経営陣とファンドの対立は、再編や統合に向けた主導権争いの側面もある。

◇ツルハHDとオアシスを巡る動き
2020年 7月 ツルハとオアシスが初の面談
  21年 7月 オアシス、ツルハの株主に
  22年10月 オアシスがツルハに合併の検討などを提言する書簡を提出
  23年 4月 鶴羽順社長とセス・フィッシャー最高投資責任者が意見交換
      5月 オアシス大量保有報告書を提出、保有株12.84%に
      6月 オアシス、株主提案書を送付
      7月 ツルハ取締役会で株主提案への反対を表明
      8月 株主総会

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