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5月の物価高止まり、3.2%上昇=エネルギー除くと42年ぶり伸び―食品が押し上げ

買い物のイメージ
政府の電気・ガス料金負担軽減策の効果で、伸び率は前月よりも鈍化したものの、原材料価格の高騰などで値上げが続く食品が全体を押し上げ、物価は高止まりしている。(i-stock/Hakase_)

 総務省が23日発表した5月の全国消費者物価指数(2020年=100)は、価格変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が104.8と、前年同月比3.2%上昇した。政府の電気・ガス料金負担軽減策の効果で、伸び率は前月よりも鈍化したものの、原材料価格の高騰などで値上げが続く食品が全体を押し上げ、物価は高止まりしている。

 一方、生鮮食品とエネルギーを除く総合指数は4.3%上昇と、第2次石油危機時の1981年6月以来、約42年ぶりの伸びを記録。調査対象517品目のうち、8割以上に当たる436品目が上昇した。

 物価を押し上げているのは、原材料価格や輸送費の高騰で値上げが相次ぐ食品が中心。生鮮食品を除く食料は9.2%と大幅に上昇した。これに対し、エネルギーは8.2%下落。政府の負担軽減策のほか、電気料金に上乗せされる「再生可能エネルギー発電促進賦課金」の引き下げが影響したが、足元では円安が進み、先行きは見通しにくい。

 原材料価格に加え、人件費の高騰も目立ってきた。総務省の担当者は、食品値上げの要因として「人件費に言及するケースが見受けられる」と指摘。外食のハンバーガーは人件費高騰の影響を受け17.1%の伸び率となった。  教育や医療など人件費率の高いサービス価格もインフレ圧力にさらされている。SMBC日興証券の関口直人エコノミストは、今年度後半にかけて物価上昇は落ち着くと見ているが、「高水準の賃上げを背景に、長期的にはサービス価格が物価上昇をけん引するだろう」と指摘している。