総務省が10日発表した2022年11月の家計調査によると、1世帯(2人以上)当たりの消費支出は28万5947円で、物価変動の影響を除いた実質で前年同月比1.2%減少した。マイナスは6カ月ぶり。値上がりに伴う駆け込み需要の反動減が続く酒類を含め、食料品が2カ月連続で減少した。11月の気温が比較的高く、冬物衣料の需要が減ったことも響いた。
食料は2.9%減少し、前月(0.4%減)からマイナス幅も拡大した。発泡酒やビールを中心に酒類は8.2%の減少。昨年10月の値上がりを前に駆け込み需要が旺盛だったことの反動減が続いている。
コート類など冬物衣料やエアコンの需要が減ったことも全体の消費を押し下げた。総務省は「天候などの特殊要因を除いた実質の消費支出は0.4%の減少だった」と指摘。物価高の消費への悪影響については「皆無ではないが、まだ主要因とは言えない。今後の動向を注視していく」と説明した。