22年出生数、過去最低ペース=80万人割れの可能性も―厚労省
今年1~10月の出生数が前年同期比3万3827人(4.8%)減の66万9871人となったことが21日までに、厚生労働省の人口動態統計(速報)で分かった。昨年1年間の確定出生数は約81万人だったが、現在の傾向が続けば、年間出生数は1899年の統計開始以来初めて80万人を下回る可能性もある。
新型コロナウイルスの影響で結婚や妊娠を控える傾向にあったことが影響したとみられる。国立社会保障・人口問題研究所が2017年に公表した将来推計人口では、出生数が81万人台に落ち込むのは30年ごろとしており、想定を上回るスピードで少子化が進んでいる。
速報によると、今年1月は前年同月を上回ったが、2月以降は前年を下回り、10月は前年比4.0%減の7万235人だった。出生数は16年に100万人を割って以降、最少を更新し続けている。
1~10月の婚姻数は前年同期比7814組(1.9%)増の42万2062組。死亡数は9万3853人(7.9%)増の128万9310人。死亡数から出生数を引いた自然減は61万9439人だった。
速報には、国内在住の外国人や海外にいる日本人が含まれる。今後公表される確定数は、日本に住む日本人だけが対象で、速報より減少する傾向がある。