総務省が6日発表した10月の家計調査によると、1世帯(2人以上)当たりの消費支出は29万8006円と、物価変動の影響を除いた実質で前年同月比1.2%増加した。5カ月連続で前年を上回ったものの、伸び率は前月の2.3%に比べ縮小した。食品を中心に値上げが相次ぎ、前月までの買いだめの反動が出たとみられる。
10月半ばに始まった政府の旅行需要喚起策「全国旅行支援」の効果もあり、旅行関連の消費が増えて全体を押し上げた。食料は3カ月ぶりに減少した。
品目別では、宿泊料が59.2%増、鉄道や航空運賃などの交通も23.9%増と伸びた。外食は9.3%増で、このうち飲酒代は75.5%増と前月に続き増加した。ただ、前月の伸び率は外食が28.1%、飲酒代が517.7%で大幅に縮小した。
一方、食料は0.4%減。このうちビールや発泡酒などの酒類は12.2%減となった。ビール大手が10月にそろって値上げし、前月までにまとめ買いの動きが広がった反動が出たとみられる。物価高は続いており、総務省は「今後の消費支出の動向を注視していく」(消費統計課)としている。