総務省が25日発表した11月の東京都区部消費者物価指数(中旬速報値、2020年=100)は、価格変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が103.6と、前年同月比3.6%上昇した。1989年の消費税導入後の水準を上回り、第2次石油危機の影響が残っていた82年4月(4.2%)以来、40年7カ月ぶりの高い伸びとなった。食料品や電気・ガス代の高騰が全体を押し上げた。
東京都区部の指数は12月23日公表の全国消費者物価指数の先行指標。ロシアのウクライナ侵攻に伴う資源・原材料価格の高騰や大幅な円安を受けた値上げラッシュによる物価高騰で、家計の圧迫が強まっていることを示した格好だ。
項目別では、生鮮食品を除いた食料が6.7%上昇。41年11カ月ぶりの高さで、前月(5.9%)から上昇幅が拡大した。ハンバーガーなどの外食や穀類、食用油など幅広い品目で値上がりした。
エネルギーは24.4%上昇。ガソリン代は政府の補助金の効果などで0.8%低下したが、電気代は26.0%、都市ガス代が33.0%の上昇と高い伸びが続いている。家庭用耐久財も11.5%上昇した。
一方、10月中旬に始まった政府の観光需要喚起策「全国旅行支援」の効果が1カ月を通して影響したことで、宿泊料は16.6%の大幅な下落となった。
生活実感に近い、生鮮食品を含む全体の総合指数は3.8%上昇。生鮮食品とエネルギーを除く総合指数は2.5%の上昇だった。