逆風の中、「独身の日」セール=コロナで消費低迷―中国

時事通信社
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 【上海時事】中国で11日、電子商取引最大手アリババ集団などインターネット通販各社が参加する「独身の日」バーゲンセールが最終日を迎えた。ネット上での年間最大の特売イベントで、消費者が格安商品に殺到することで知られるが、新型コロナウイルスの感染拡大や景気減速で消費は低迷。政治の動向にも左右される逆風下での開催となった。

 2009年にアリババが始めた大売り出しは、今年で14回目。29万超のブランドが参加し、1700万点を上回る商品が出品された。

 ただ、習近平指導部が格差是正に向けて提唱する「共同富裕」や、当局によるネット企業への締め付けを考慮。恒例だったカウントダウンイベントなどの派手な演出・宣伝は見送られ、昨年と同様に控えめな催しとなった。

 中国では今春、最大の経済都市・上海市が2カ月間にわたってロックダウン(都市封鎖)下に置かれ、コロナが経済に深い傷を残した。感染を徹底的に封じ込める「ゼロコロナ」政策が景気の重しとなっている。

 10日確認された中国全土の新規感染者数は1万人を超え、上海が封鎖中だった4月末以来の水準まで感染が再拡大。中国共産党指導部は、コロナ対策を巡って「経済・社会の発展への影響を最大限抑える」方針を示し、11日には防疫措置の一部が緩和された。しかし、冷え込んだ消費マインドの回復に向けた道筋は見えていない。 

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