11月の食品値上げ、牛乳など833品目=子育て世帯直撃
食品の値上げは、ピークの10月を過ぎても続く。帝国データバンクが1日発表した10月末時点の集計によると、主要食品会社が実施する11月の値上げは833品目。牛乳・乳製品の多さが目立つ。特に、購入頻度の高い牛乳の値上げは、子育て世帯の消費者心理に大きな影響を与えそうだ。
乳業大手は1日、飼料価格の高騰に伴う生乳価格の引き上げなどを理由に家庭用の牛乳・乳製品の一斉値上げを行う。対象商品は明治、森永乳業、雪印メグミルクの大手3社で合計262品目に上る。
牛乳などの出荷価格は2.8~10.2%上がる。ヨーグルトの主力商品も「明治ブルガリアヨーグルトLB81プレーン」(400グラム)が11円ほど高い292円に。森永の「ビヒダス」や雪印の「ナチュレ 恵 megumi」も値上がりする。
育児を支える乳幼児向け粉ミルクにも今秋、値上げの波が押し寄せている。1日は「明治ほほえみ」などが値上げ。12月も「森永はぐくみ」の価格が上がる。
このほか、カルビーの「かっぱえびせん」が再値上げ。大塚製薬も「オロナミンCドリンク」で25年ぶりの値上げに踏み切り、114円から130円になる。
11月の値上げ品目数は、今年最多だった10月(6699品目)に比べれば大幅に減る。ただ、帝国データの担当者は「実勢価格190円の牛乳は、値上げで200円を超える。心理的なインパクトは10月と同じくらい大きい」と話す。
1世帯当たり5万円を給付する政府の物価高対策についても、対象は年金世帯が多いと指摘。「11月の値上げの影響が大きい子育て世帯に支援が十分に行き渡らない」としている。
来年の値上げは、円安進行を背景に早くも2000品目を超え、春先にかけて値上げラッシュの再来が懸念される。