ロシアでの事業に逆風=西側企業、迫られる転換

時事通信
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スイス食品大手ネスレの製品ボイコットを求めてデモ行進する男性
〔写真説明〕スイス食品大手ネスレの製品ボイコットを求めてデモ行進する男性(右)=22日、スイス・ローザンヌ(EPA時事)

 【ロンドン時事】西側諸国の企業が相次いでロシアからの撤退を決める中、ロシアで事業を継続する企業に対する逆風が強まっている。これまでロシア事業を続けていたスイス食品大手ネスレは、強まる批判を受け、離乳食や療養食などの生活必需品を除く製品の輸出入停止を迫られた。

 ネスレはチョコレート菓子「キットカット」やペットフードの「ピュリナ」などの有名ブランドで知られる。ウクライナのシュミハリ首相は17日、ネスレのシュナイダー最高経営責任者(CEO)と電話で話した後、「ロシア市場にとどまることの副作用を全く理解していない。ロシア政府に税金を支払えば、罪のない子どもたちや母親たちを殺すことにつながる」と非難していた。

 ソーシャルメディアではネスレ製品のボイコット運動が発生。ウクライナを支援する国際ハッカー集団「アノニマス」がネスレを標的にサイバー攻撃を仕掛ける事態に発展していた。

 これを受け、同社は23日の声明で輸出入や広告宣伝の停止などを発表。「ロシアで利益が出た場合は人道支援団体に寄付する」と釈明を迫られた。

 フランス石油大手トタルエナジーズも同様だ。ロシアでの新規事業への投資停止を表明していたが、他の大手石油資本が次々と撤退を決める中で対応の甘さが批判を浴びた。トタルは「『戦争犯罪への加担』という言われのない非難を受けている」としながらも、年末までのロシア産原油の購入停止などの方針転換を打ち出さざるを得なかった。

 カジュアル衣料「ユニクロ」を展開する日本のファーストリテイリングも方針転換を迫られた企業の一つ。ウクライナで一般市民の被害が増えるにつれ、企業がロシアで営利活動を行うことへの圧力も日増しに強くなっている。

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