米国で進むスーパーの中抜き、「ファーム・トゥ・コンシューマー」とは?
ファーム・トゥ・コンシューマー
ファーム・トゥ・コンシューマーとは、農家が消費者に農作物を直接販売するモデルである。コロナ禍で内食の頻度が増え、消費者の健康志向や地産地消への意識も高まるなか、デジタルテクノロジーを効果的に活用して農家と消費者が直接つながる動きが広がっている。
2020年4月に米ロサンゼルスで創設された「クロップ・スワップ(CropSwap)」は、消費者と地元の農家をつなぐモバイルアプリだ。アプリ上では、地元の農家で収穫される新鮮な旬の農作物がリアルタイムで表示され、欲しいものを選んでオンラインで注文すると、収穫から12時間以内に、鮮度の高い状態のまま消費者のもとに届けられる。コロナ禍では、厳格なロックダウン(都市封鎖)により飲食店が休業を余儀なくされ、飲食店に食材を供給している農家にも深刻な影響が及んだ。「クロップ・スワップ」は、農家と消費者を直接つなぐことで、地域の農業を支援する役割も担っている。
北米では、消費者が農家に農作物の購入代金を前払いして会員となり、収穫期に農作物を受け取る地域支援型農業(CSA)が普及している。「ハービー(Harvie)」は、CSAによって運営されている農家と消費者を直接つなぐオンラインプラットフォームだ。消費者はオンラインで地元の農家を検索してCSAの会員に加入可能で、食の嗜好やニーズを設定しておくと、その条件に合った農作物が定期的に届く仕組みだ。収穫された農作物と会員それぞれの嗜好やニーズを独自のアルゴリズムで最適にマッチングさせることで会員の満足度が大幅に高まり、CSAの会員継続率は1 5~20%上昇している。
21年1月に