EC運営にも店長が必要?デジタル化時代に求められる「EC店長」のスキルとは

望月 智之 (株式会社いつも 取締役副社長)
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EC店長の業務はますます複雑化

 こうしたなか、EC店長を育成することも簡単ではありません。10年前であれば「ECはとりあえず『楽天市場』を攻略する」というタスクに向き合い、1つのオペレーションを覚えれば立派に店長として仕事をまっとうできる時代でした。

 しかし、昨今は楽天市場だけでなく、Amazonをはじめとする複数のECプラットフォームを攻略しながら、自社ECも同時に運営しなければなりません。すべてのプラットフォームで競争が激しくなっているため、勝ち抜くためにはそれぞれの専門的な攻略ノウハウが必要となります。また、配送効率や受注管理システムなどマルチチャネルの運営を最適化してコントロールするスキルも重要です。

EC店長の業務は、以前に比べて複雑化・多様化している
EC店長の業務は、以前に比べて複雑化・多様化している

 さらに最近ではSNSも理解して活用する必要があるため、EC店長の仕事はより複雑化しており、そこまで精通している人材はほとんどマーケットに存在しないうえに、いくつもの業務を体系的に教育できる体制が整っている企業はほぼありません。マルチタスクが可能な人材が存在しないうえに、それぞれの作業を分担させたとしてもすべてを取り仕切ることができる人材もいないため、当社のような専門家集団への外注に頼らざるを得ないのが現状なのです。

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記事執筆者

望月 智之 / 株式会社いつも 取締役副社長
1977年生まれ。株式会社いつも 取締役副社長。東証1部の経営コンサルティング会社を経て、株式会社いつもを共同創業。同社はD2C・ECコンサルティング会社として、数多くのメーカー企業にデジタルマーケティング支援を提供している。自らはデジタル先進国である米国・中国を定期的に訪れ、最前線の情報を収集。デジタル消費トレンドの専門家として、消費財・ファッション・食品・化粧品のライフスタイル領域を中心に、デジタルシフトやEコマース戦略などのコンサルティングを手掛ける。ニッポン放送でナビゲーターをつとめる「望月智之 イノベーターズ・クロス」他、「J-WAVE」「東洋経済オンライン」等メディアへの出演・寄稿やセミナー登壇など多数。
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