次は介護業界?バニッシュ・スタンダードのオンライン接客支援がコスメや家電業界で広がる事情
サービス業界にも参入、将来は海外進出も
さらに小売業以外の業界への参入ももくろむ。「サービス、福祉、介護といった給料水準が低い業界をできるだけ早く助けに行きたい。世界にスタッフスタートを浸透させて、世界中の現場の人たちが報われるような世の中にしたいと思っている。株式上場を検討しているのにはそういう狙いもある」と小野里社長は海外進出も視野に入れた構想を練っていることを明かす。サービス業界への参入は上場を果たした後をめどにしている。
スタッフスタートは専用アプリを通じて、自社ECサイトやSNSなどで店舗スタッフのオンライン接客を可能にするサービス。単にコーディネート提案の画像投稿ができるだけでなく、スタッフ一人一人の投稿コンテンツを経由したEC売上やPV(ページビュー)がどれだけ発生したかという成果が可視化されるため、本部はその実績を店舗やスタッフ個人の評価に役立てることができる。
店舗で働く販売スタッフのEC売上への貢献度が可視化されることでスタッフのモチベーションが高まり、成果給などの形で給料に反映されれば、他業界に比べて低いとされるアパレルをはじめとする小売業やサービス業の賃金水準も改善され、現場のスタッフの社会的地位の向上にもつながる。
「一番大事なのはスタッフの力とやる気。オンライン接客ができる時間や環境を経営者と共につくっていかなければいけない。スタッフスタートは単純なツールではない。スタッフや消費者、経営者、店舗責任者、商業施設などステークホルダーと協力し合いながらスタッフを生かしていくという文化をつくっていきたい」と小野里社長は話す。