21世紀のP&Gの異名も!アマゾンエコシステムで成長する「セラシオ」とは
EC市場が右肩上がりの成長を遂げるなか、出品業者やブランドを買収し、商品力や販売力を育成するという周辺ビジネスが注目を浴びつつある。そのパイオニア的存在が米国のセラシオ(Thrasio)だ。EC市場の“アグリゲーター”とも称される同社のビジネスモデルと可能性について解説する。
ECの巨人がもたらす新たな周辺ビジネス
アマゾン(Amazon.com)の2021年度の連結売上高は4698億2200万ドルだった。現行為替レートの120円で約56兆4000億円だ。過去10年間におよそ10倍という成長率で、金額にすると40兆円以上を積み増したことになる。
10年間という短期間に巨額の売上高を増やしたわけだが、さらにECという伝統的なビジネスモデルではないため、今までとはまったく異なる影響を周囲に及ぼしてきている。新しい周辺ビジネスチャンスを生み出しているのである。

最もわかりやすいのは宅配だ。EC市場急成長に伴って宅配需要も急増、大手宅配キャリア離れを進めてきたアマゾンは自らがアウトソースする手法を取っているので、宅配サービスを提供する法人や個人事業主が急増している。そのうちの複数の法人が連携してグループをつくり窓口を一本化して大規模宅配サービス化するという動きさえ出ている。
たとえばアマゾンのセンター所有に特化して不動産投資信託化し上場をめざすという企業も登場している。
こういった急成長しているアマゾン周辺ビジネスの中でとりわけ私の目を引いているのが、マーケットプレイス上で商品を売っているサードパーティセラーに投資してブランドを集合させるビジネスモデルである。アメリカではアグリゲーター(Aggregator:何かを集合させる組織や人を意味する)と呼ばれはじめて注目を浴びつつある。
市場の過半はマーケットプレイスに
ECは大きく分類すると、ECリテーラーが自らのサイトを通して商品を販売するチャネルと、他社のプラットフォームを利用して販売するチャネルの2つが存在し、後者がマーケットプレイスと呼ばれる。日本では
DCS Report の新着記事
-
2025/04/18
関西初の直営カフェ併設店「ビオラルうめきた店」の売場づくりとは -
2025/04/18
ヨークHD再成長の命を握る?「ヨークパーク」の全貌とは -
2025/04/02
「#ワークマン女子」から「Workman Colors」へ 売場・商品はどう変わった? -
2025/04/02
早くも3店舗体制に! ロピアの“青森戦略”の成否を現地で考察してみた -
2025/03/17
ローカル小売とメディアが連携!「九州リテールメディア連合会」の深謀 -
2025/03/15
欧米小売に学ぶ「包括的な売場づくり」の意義と手法とは
この連載の一覧はこちら [279記事]
