負けない商品のつくり方 「もうやんカレー」に学ぶ、“つぶれない店”をつくるポイント

2021/12/06 05:55
    吉田典史
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    1997年、カレー店激戦区の新宿で誕生し、現在は渋谷、新橋、横浜などに12店舗を構える「もうやんカレー」(東京都)。脱サラし、25歳でもうやんカレーを創業した社長の辻智太郎氏は学生の頃から、生き残る中小企業について考え抜いてきたという。飲食店の場合、その1つの術が他店や家庭で作ることができない味を作り、独自路線を歩むことだった。「他社の商品に負けずに、売れ続ける商品の作り方」について、辻社長に話を聞いた。

    ― 飲食店の経営は継続させるのが相当に難しい、と言われます。もうやんカレーは25年近くになりますね。

    辻 1号店を開店した1997年、新宿にカレーのお店は少なくとも50店舗ありました。2021年11月の今、そのうちで残っているのは3分の1ぐらいです。おいしいカレーを作るのは当然として、売れるため・生き残るためにはそれ以上のものが必要なのです。ただ単においしい、というよりも「これは家や他の店では食べられない。だからあのお店に行きたい」と思っていただけるものを作らないといけない。もうやんカレーでは、それしか作りません。

     ただし、このようなものを作るのには時間や労力がかかります。ボツにしたのもたくさんあります。その繰り返しで、「もうやんカレーに行かないと食べることができない味」にするのです。今、カレーソースの味はバージョン9。1からスタートし、状況に応じてどんどん改良してきました。

     コロナ禍で多くの店が閉店・廃業しました。生き残っているお店は、本当にお客さんに求められている店なのだと思います。もうやんカレーは、このフィルターを通過するために創業時からいろんなことを試みてきました。大切なのは、お客さんが欲しいものをきちんととらえて、それを提供できること。創業時からそれに徹してきましたし、これからもそうありたいと思っています。

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