米アマゾンの広告事業、アップルの個人情報収集制限を最もしのぐか

ロイター(ロイター・ジャパン)
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アマゾンのロゴ
米アマゾン・ドット・コムがデジタル広告分野で業界の勝者に浮かび上がる気配だ。写真は同社のロゴ。ベンガルールで2018年4月撮影(2021年 ロイター/Abhishek N. Chinnappa)

[27日 ロイター] – 米アマゾン・ドット・コムがデジタル広告分野で業界の勝者に浮かび上がる気配だ。米アップルが4月、利用者の許可がなければアプリ開発業者による個人の行動履歴の追跡が制限される機能を導入、個人データ保護を強化したことで、米フェイスブックやスナップがより割を食う流れになっているのと対照的だ。

アマゾン自体に顧客のショッピングデータが豊富にある。このため、アップルのアイフォーン向け基本ソフト(OS)「iOS」で提供されていたような追跡情報に頼らなくてもいい強みがある。

アルファベット傘下のグーグルなども、利用者の検索行動パターンからデータを豊富に集めている。だから、第3・四半期のグーグルの広告収入は41%増だった。つまり、個人の関心に狙いを絞ったターゲティング(追跡型)広告への依存度の低いビジネスモデルなら、アップルによる行動履歴の追跡制限をかわせるということだ。

アマゾンは最新の決算を28日に発表する。ただ、同社の発表は広告収入を切り出さず、「その他」にまぜる形だ。

サプライキックのパフォーマンス・マーケティング責任者、エドゥアルド・クルツ氏は、グーグルとアマゾンのビジネスモデルがクッキー(検索サイト閲覧履歴)に頼らないと指摘する。特にモノを売る各ブランドにとっては、アマゾンの広告は購入を促進したり製品認知を高めたり、顧客に近づいたりする上で強力な手段だという。

アップルはアップルで、4月に広告主による追跡の制限機能をOSに追加して以来、自社の広告事業は好調だ。かつてはフェイスブックやインスタグラムやスナップが占めていた市場シェアに食い込んでいる。アップルの決算発表も28日だ。

フェイスブックの利用者の大半は同社のプラットフォームにモバイル端末を通じてアクセスしている。データ・リポータルのデータによると、7月時点でフェイスブックの成年利用者の15%近くが「iPhone(アイフォーン)」や「iPad(アイパッド)」経由だった。

ツイッターはターゲティング広告に頼っているが、フェイスブックほどではない。ツイッターの発表した広告収入は予想並みだった。アナリストによれば、ツイッターは直接の広告からではなく、各種サービスなどのブランドからの広告が大半を占めるため、フェイスブックやスナップよりはアップルの個人情報収集の方針変更をしのぎやすい立場だ。

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