UPS決算、利益と売上高が予想上回る 価格上昇が追い風
[26日 ロイター] – 米貨物輸送大手ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)が26日発表した第3・四半期決算は、利益と売上高がともに市場予想を上回った。インターネット通信販売の需要好調を背景に配送料を値上げし、収益性がより高い顧客向けを強化したことが貢献した。
売上高は231億8000万ドルとなり、アナリストの平均予想は225億6000万ドルを超えた。最大市場の米国での売上高が7.4%伸びたことが寄与した。
リフィニティブIBESによると、調整後の営業利益は1株あたり2.71ドルとなり、アナリストの平均予想、2.55ドルを上回った。
同時に通期の調整後営業利益率の見通しを約12.7%から約13%へ引き上げた。米同業フェデックスは約1カ月前に労働力不足を理由に利益見通しを下方修正していた。
ウェルズ・ファーゴのアナリスト、アリソン・ポリニアク・キュージック氏はメモで「ネットワークの効率性や四半期業績への懸念を踏まえると、本日発表された結果と見通しを好意的に捉えている」と述べた。
UPSの株価は取引開始前に4.5%上昇。フェデックスは1.6%上がった。
UPSとフェデックスの両社は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による買い物のネット通販への移行以来、記録的な数量を配送している。新興の同業、米アマゾン・ドット・コムと並んで労働者の確保に追われている。
フェデックスが労働者確保の問題からコストが4億5000万ドル増えたのに対し、UPSは業界最高水準の賃金を支給し、労働組合に加入している従業員を抱えていることが利点となった。
UPSは配送業務の強化を図っており、ホームセンター大手ホーム・デポを主要顧客とするクラウドソーシング型(スマートフォン用アプリを介した)の即日宅配会社、ローディーを買収する計画もある。