【米シアーズ】破産法11条申請、店舗の営業は当面継続
米シアーズホールディングス(HD)は10月15日、連邦破産法11条(日本の民事再生法に当たる)の適用を申請したと発表した。かつては米国を代表する小売業だったが、近年は営業赤字の計上が続くなど、業績悪化が著しかった。
DIPファイナンスで3億ドルの運転資金を確保しており、店舗の営業は当面継続する。さらに3億ドルの資金調達を交渉中だという。
同社は11月までに46店舗を閉鎖する計画を進めていたが、これに加えて142店舗を2018年中に閉鎖する。今後は比較的小規模で好採算の店舗を中心に再建を図る。
シアーズHD傘下のシアーズはカタログ通販から出発し、日本の総合スーパーのモデルとなるような大型店(食品は取り扱わない)を展開、郊外型ショッピングセンター(SC)の核テナントとして店舗数を増やしていった。1980年代は米国最大手の小売業だったが、ウォルマートや専門大型店(カテゴリーキラー)の台頭などで急激にシェアを落としていった。
2005年にはかつてウォルマートのライバルだった、ディスカウントストア大手のKマートと合併、投資ファンドを運営するエドワード・ランパート氏がCEOとして再建を指揮したが、業績が復活することはなく、11年1月期から7期連続で最終赤字を計上している。
破産法申請に伴ってランパート氏はCEOを退き、取締役会議長となる。ランパートが率いる投資ファンドは現在もシアーズHDの筆頭株主となっている。
CFO(最高財務責任者)ら上級執行役員で構成されるCEOオフィスが、ランパート氏に代わって経営の指揮を執る。一方、社外取締役だけで構成されるリストラクチャリング委員会が破産法に基づく再建プロセスを監督する。